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モジュール化×マッシュアップ×ブレイクスルー=イノベーション

 

 

「ものづくり集団」の強みを生かす経営のプロが求められている今、戦略立案の核となる情報プラットフォームの活
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/ActiveSP/20140226/539503/?ST=act-enterprise&P=1

 

新興国企業の攻勢、欧米企業の変革と復活、イノベーションの欠如――。日本の製造業は、グローバル化という巨大なうねりの中で、世界市場で勝ち抜く方法を模索している。日本の強みであるものづくりの力も生かしながら変革を進めるためには、どのような視点が大切になるのだろうか。さまざまな製造業の再生とコンサルティングにかかわる株式会社経営共創基盤(IGPI)CEO冨山 和彦氏と、PTCジャパン株式会社 代表取締役社長 桑原 宏昭氏が対談した。

 

 

日本の製造業に足りないのは選択と集中

 

PTCジャパン株式会社
代表取締役社長 桑原 宏昭 氏

桑原 日本の製造業は、決して好調と言えない時期が長く続いているようです。製造業の抱える課題には、長く語られてきて徐々に改善してきたこともあれば、新たに生まれたものもあります。いま冨山さんが考える最大の課題はどこですか。

 

株式会社経営共創基盤(IGPI)
CEO 冨山 和彦 氏

冨山 すべての課題は、「経営レベルであまりにも何もしない」ことかもしれません。現在置かれているビジネスの状況を正確に把握することができていません。だから、行っている事業のうちどれをやめるか、あるいは製品群の中でどれをやめるか、という取捨選択を行えないのです。日本の製造業は、「自分たちは一体何を真剣に作り込んでいるのか」を考え抜いた上で、「真剣にやらないのは何か」を導き出さなければなりません。いわゆる選択と集中ですね。

 

桑原 確かに、「日本企業は捨てなさすぎる」というのはよく言われますね。すべてを自分たちで用意しようという自前主義の弊害が出てきているのかもしれません。

 

冨山 選択と集中について突き詰めると間接固定費が多すぎることが見えてきます。固定費と聞くと管理部門が真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、本来捨てるべきものを扱っているのであれば、営業部門もそうですし、開発部門だってそうかもしれません。もちろん生産部門も。

 

桑原 それに対して、グローバル企業はいらないものを捨てて戦っているように見えますし、自社のコアコンピタンスをよく知った上で、アウトソーシングをうまく活用しています。日本の製造業は、なぜ捨てられないのでしょうか

 

<冨山 和彦氏の略歴>
ボストンコンサルティンググループ入社後、コーポレイトディレクション社設立に参画、後に代表取締役社長に就任。産業再生機構設立時にCOO に就任。(現職)オムロン社外取締役、ぴあ社外取締役、中日本高速道路社外監査役、みちのりホールディングス取締役、政府税制調査会委員、経済同友会副代表幹事、財務省・財政制度等審議会専門委員、文部科学省・科学技術・学術審議会基本計画特別委員会委員。近著に、『挫折力』、『IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ』、『30代が覇権を握る!日本経済』、『結果を出すリーダーはみな非情である』、『IGPI流 セルフマネジメントのリアル・ノウハウ』、『リーダーのための戦略思考』、『稼ぐ力を取り戻せ!・日本のモノづくり復活の処方箋』など。

 

冨山 日本の組織が宿命的に抱え込んでいる問題なのでしょう。ただ、それこそ日本のものづくりが強くなった要因でもあるのです。日本企業には、支え合う文化があります。仕事面だけでなく、生活面もそうです。そうして生まれた仲間意識を軸に、あらゆる部門がローテーションを組んで仕事を回すやり方がうまくいったが故に成長できたと考えることができますから。

 

桑原 あらゆる日本の組織に当てはまる文化ですね。組織は家族のような共同体であり、裏を返せば共同体を守るために組織が存在しているという感覚です。日本企業は、こうした共同体文化を持っていますから、事業の存在価値を決める方向性が従業員の生活を守る方へと強く向いてしまうのでしょう。ただ、その共同体意識は日本企業の強みでもあると伺いました。家族的経営が強みになっているのは、どういった部分でしょうか。

 

冨山 「すり合わせをする」という面では良いのですよ。すべての従業員は家族ですから、あうんの呼吸で物事を進められます。その結果、ライバルがまねできないような作り込みやすり合わせができるのです。

 

桑原 いわゆるボトムアップのアプローチには強いわけですね。私は、標準化できる部分は標準化し、そこにお客様が求める部分を柔軟につけ足して提供することが理想だと考えていて、われわれの提供するソフトウェアがそうした面でお役に立てると信じています。すり合わせの良さを生かした標準化を進めながら、本質となる強みを探ることはできるのではないでしょうか。

 

冨山 標準化も捨てることから生まれます。「作り込み」を捨てることは、「標準化する」という意味になります。「工程」を捨てるのなら、「アウトソーシングする」という意味になります。作り込みは、決して悪ではありません。すべてを捨てればいいのではなく、強い部分にエネルギーのすべてを注入していくことが大切なのです。本来のものづくりの力だけで戦うことになれば、グローバル競争で十分に勝てます。欧米にも、アジアにも勝てます。そのために、経営改革が必要です。日本企業は伝統的に現場が強いのですが、本社機能が弱すぎるために現場の良さを殺してしまっています。そこにチャレンジがあるのです。

 

 

現場の大衆民主主義という課題

 

桑原 経営面の課題については、海外の企業と比較するとわかりやすいかもしれません。グローバル企業は、経営層に経営のスペシャリストを配置するのに対して、日本企業の経営層にはゼネラリストが多いような気がします。

 

冨山 ゼネラリストと言えば聞こえは良いのですが、実態は違うのです。日本企業は「ムラ型」の組織ですから、全体の調和を考えることができ、根回しがうまく、部門間調整の能力に長けた人たちが出世します。つまり、彼らは社会的なゼネラリストではなく、会社の中だけで通用するゼネラリストにすぎません。いわば、会社のスペシャリストと言えるのかもしれません。

 

桑原 共同体を運営するためには、周囲のすべての人からコンセンサスを得られる、ということが条件になるわけですね。製造業の経営層は、「ものづくりを知らない」、「現場を知らない」と言われることを不名誉であると考えてしまうものです。そういう意味でも、経営のプロがドラマティックなイノベーションを起こせる環境になかったのかもしれません。日本にプロの経営者はなじまないのでしょうか。

 

冨山 これまではそうだったかもしれませんが、これからは変わってきます。もはや、「皆さんの意見を集約して、戦略を固めます」と言って、実際にやってくれる村長タイプの人では難しい時代になりましたから。現場で何が起こっているかを認識することと、現場の「大衆民主主義」に迎合することとは違うということをきちんと認識できるプロの経営が必要になるでしょう。

 

 

欧米と新興国の間に挟まれる日本

 

桑原 グローバル化という大きな流れの中で、こうした日本の組織文化の抱える課題が顕在化してきたのでしょう。いまや新興の経済圏から競争相手が登場してきて、日本で良いものを作っていれば、それが売れる時代ではなくなってしまったのかもしれません。

 

冨山 かつて欧米の企業が新興国・日本にやられたのと同じ構図です。実は、日本企業がここまで強くなる前に覇権を握っていた欧米企業は、いまの日本企業にそっくりでした。GMもIBMも、内部昇格が中心で長期雇用を保障する組織でした。しかし、ある段階からそれが許されなくなりました。欧米が変わったのは、1980年代ごろのことですね。

 

桑原 欧米のように、これからの日本企業は変わるのでしょうか。冨山さんは、変わることができると感じていますか。

 

冨山 変わらなければならないのです。欧州は米国ほど極端でないと言われますが、たとえばフィリップスは、ドラスティックな変革を行い、選択と集中をできる会社に変わりました。いまの日本は、欧米と新興国の間に挟まり、違うベクトルでの競争をしなければならない状態と言えるのかもしれません。すでに変化した欧米の企業から、学ぶことは多いでしょう。

 

 

日本とドイツの職人文化、方向性の違い

 

桑原 中でも欧州のドイツから学ぶところはありませんか。私は、ドイツのものづくりと日本のものづくり、そして両国のクラフトマンシップを比べてみると、似て非なるものがあるように感じるのです。敗戦国が戦後に急速な復興を遂げたという歴史を持ち、まじめな国民性という近しいものがあるのですが、ドイツには、いまでも多くのイノベーションがあり、画期的なものが生み出されています。対して、日本にもクラフトマンシップはあるはずなのに、イノベーションの部分が止まっているように見えるのです。彼らから学んで、日本企業がイノベーティブなものを作れるようになるためには、何が必要なのでしょうか。

 

冨山 それはいいポイントですね。欧州のゲルマン系の国にはクラフトマンの気質があり、実際に、クラフトマンシップのある国では、立派な組立型製造業や精密機械工業が生き残っています。欧州のクラフトマンと日本の職人の違いを際立たせる例を1つ挙げましょう。ある商品を作ることになったと仮定して、その「主要性能」と「仕様」があらかじめ規定された上で、現場が「どうやって生産するのか」を検討することを考えてみてください。日本では、部品を含むすべてを性能と仕様に最適な特注品として作り込み、最終的に要求通りのものを作り上げようとします。これに対してドイツでは、市場に存在する部品の中から最も優秀なものを集めてきて、それらを組み合わせることで求められる性能に近づけようと検討します。そこが大きな違いで、学ぶべきところです。

 

桑原 モジュールを組み合わせる発想で、まさに私が理想と考えているやり方です。いま世の中にある部品だけで解決できない部分を作り込むことができれば、そこが差別化要素になるわけですね。

 

冨山 日本の製造現場で標準化が進まないのは、生産ラインで作り込みをやりたい職人を大量に抱えているためです。日本とドイツにはクラフトマンシップの歴史と文化がありますが、桑原さんが感じておられるように、その方向性は大きく異なるのです。日本のクラフトマンシップは、優れた職人が一人で部品を削り込み、表面をなめらかにするという方向性。一方のドイツは、手に入る部品を調べ上げ、論理的かつ緻密に考えて組み立てて、より高い性能を出す方向性、と言えばわかりやすいでしょうか。

 

 

ものづくりをすべて可視化する仕掛け

 

桑原 これまでの議論で、顧客の視点について話していませんでしたね。特注部品を削り込んで作り込むことは、本当に顧客のためになるか、という疑問です。企業は、顧客が求めていることを突き詰めることで、イノベーティブな製品を世に送り出すことができるのではないでしょうか。

 

冨山 ものづくりは価値づくりであり、経済活動です。顧客に支払ってもらえるお金に対して、付加価値を提供できなければ、ものづくり側の自己満足にすぎず、製品は売れません。製品の価値を正しく把握するために、顧客の視点は不可欠です。

 

桑原 そのためにも、ものづくりをすべて可視化しなければならないと考えています。われわれは、「ものづくり情報プラットフォーム」の必要性を提唱し、ものづくりにかかわるすべてを可視化することが大切だと訴えています。情報をデータに落とし込んで、すべてを正確に把握できるような仕組みです。日本企業の抱える課題は経営レベルから現場までさまざまですが、うまく情報を活用することで解決できるものも多いはずです。

 

冨山 不完全性にアレルギーを持つ国民性ですから、データ活用に遅れたと言えるでしょう。「データで語れることはすべてではない」と言って、データを排除しようとしてきました。70年前、米国に戦争を仕掛けたのと同じです。データを見れば勝てないとわかるのに、「データでは見えてこない何かがあるはずだ」と言い出す。日本人が負け戦になると持ちやすい心象風景かもしれません。製造業は科学的な産業なので、最終的にはデータ通りになります。焼け野原にされてから、「データの言っていた通りだった」と言っても遅いでしょう。

 

桑原 日本の製造業がいま最も必要としているのは、ものづくりのすべてを可視化した上で、バリューチェーン全体を見渡し、戦略立案につなげられるような仕掛けです。そのためにデータは必要不可欠。われわれは、ものづくりにかかわるすべての情報を自在に把握できるプラットフォームを経営者に提供します。そして、経営者には、経営のプロとしてそれを活用してもらいたいのです。そうすれば、日本の製造業はきっと元気になります。

 

冨山 そうですね。感覚だけで商売はできませんから、情報のインフラを整えることは大切です。あらゆる製造業に、作り込みの要素は残り、その部分が差別化要素になります。問題は、作り込みを利益にできるかどうかであって、それこそ製造業としての戦略でなければなりません。そのために情報のプラットフォームは必要になってくるでしょう。

 

 

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