マツダの新しい市場開拓の姿勢がもたらすマーケットイニシアチブ
最近、世界規模で自動車用内燃機としてのディーゼルエンジンが見直されています。どちらかというとトラックなど商用ベースが主で「黒煙(スス)を排出して環境に悪い」というイメージとても強いディーゼルエンジンですが、最新のエンジン技術により「クリーン」で「ハイパワー」で「低燃費」という3拍子揃ったというプロモーションも多くなってきています。機械的にも、軽くて振動も少なく燃焼効率も良いという技術改善も行われています。
日本国内ではマツダのCX-5。ミドルSUVながらデザイン性も高く、マツダ渾身のSkyActive技術によりディーゼルエンジンを含むトータルバランスで新しいクルマの形を提案しています。海外では以前よりメルセデスベンツが「BlueTech」、最近になってBMWが「BluePerformance」というグレード名称でディーゼル搭載車の販売に力を注いでいます。
元々、欧州では人気の高かったディーゼルですが、日本では商用輸送車両の排ガス問題などで限りなくイメージが悪かったのでなかなか流通しませんでしたが、ここにきてマツダの頑張りによりクリーンでタイムリーなエンジンシステムとして広く知れ渡るようになってきています。
日本国内の他社メーカーは電気・ハイブリッド・KARS(ブレーキ回生システム)・アイドリングストップなどエンジン内燃機技術というよりも周辺補機類含めた制御技術またはバッテリー蓄電技術にシフトしていますが、マツダのこの新しい市場開拓の姿勢は、マーケットにおいてもイニシアチブを握るという意味でとても大きな価値があるように感じます。
また、そういう未開の地、放置されていたエリアの再開拓などはブランディング的観点からは非常に意味深い活動と言えます。
東洋コルク工業というコルク栓を作るメーカーに端を発するマツダ。世界初ロータリーエンジンの実用化やルマンでの優勝。いろいろな壁に阻まれながらも乗り越えてきた企業文化をもつ企業体だからこそ、SkyActive技術及びクリーンディーゼルを新しい軸として自動車業界に一石を投じ続けることは間違いないだろう。
参考までに、以下マツダの企業キャッチコピーの変遷。
● クルマの主流をかえるロータリーのマツダ(1970年代)
● Better & Better(1970年代後半)
● 社会にとってのBetterへ 走ることのBetterへ(1970年代後半)
● 個性あざやかに 品質のマツダ(1980年代)
● 新しいマツダ、始めます。(1995年~1996年)
● For mobility pleasure(1995年~1996年)
● 使えるクルマ・楽しいクルマ。That`s Mazda(1990年代後半)
● 心を動かす新発想(2000年代前半)
● ZOOM-ZOOM -もっと乗りたくなる。-(2002年~)
● Be a driver. 自分の人生の、主人公になろう。 (2013年~現在)
http://www.mazda.co.jp/beadriver/
http://h-mp-recruit.jp/2016/team/team01.html