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中小企業におけるWebサイトの重要性とWebブランディング成功のポイント

 多くの企業が自社サイトを持っている現在、Webサイトをつくっただけでは他社との差別化はできません。Webサイトをどう使うかが重要です。せっかくWebサイトをつくるのであれば、単に会社情報を掲載するだけでなく、ブランディングにも役立つWebサイトの構築を検討してみてはいかがでしょうか。
Webを利用すれば自社にあう顧客へ効率よくリーチすることができ、少額の投資で世界中にアピールすることもできます。
以下では、なぜ中小企業にWebブランディングがお薦めなのかをお伝えします。

 

中小企業にとってのWebサイトの必要性

街中でもインターネットがつながるようになり、多くの人がパソコンやスマートフォンからWebサイトを見るようになりました。
新聞やテレビなどのマスメディアを通じた広告も依然として効果はありますが、顧客の認知や信頼を高めるにあたってWebサイトの存在は欠かせません。
Webサイトはマス広告に比べて広告費を抑えながら、自社の存在をアピールすることができます。Webサイトを利用すれば、大手企業のような資本力のない中小企業でも日本中、世界中にその存在を知らしめることが可能です。

また、Webサイトは広告に比べて提供できる情報量も多く、内容も幅広く紹介することができます。ニッチなターゲット層にもリーチできるため、自社の独自性を訴求し、新たな市場を創造することも不可能ではありません。

 

BtoB企業におけるWebサイトの重要性

BtoB企業にとってもWebサイトを持つことは重要です。
「BtoBサイト調査2015」によると、Webサイトの売上への貢献度を表す「サイト効果」はBtoBサイトの方がBtoCサイトよりも圧倒的に高いことが分かっています。

 

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BtoBとBtoCのサイト効果比較(2014年度)


画像引用元:ブランド戦略通信「BtoBサイト調査2015」
http://japanbrand.jp/product/bb/bb2015/importance.html

同調査では、次のようなデータも報告されています。BtoB顧客製品・サービスの購入時に参考にした情報源を調査したもので、法人でもWebサイトは重要な情報源になっていることが分かります。

 

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仕事上の製品・サービスの情報源(2013-2014年) (%,複数回答)

画像引用元:ブランド戦略通信「BtoBサイト調査」
http://japanbrand.jp/product/bb/bb2015/importance.html

特に、商品の詳細情報や導入事例についてはWebサイトを通じて、情報を入手する人が多いようです。 

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購買プロセスにおいて営業と接触した理由と製品企業サイトを閲覧した理由 (n=515)

画像引用元:2BC 株式会社ニュースリリース「中小企業マーケットにおける IT 製品の購買実態調査」
https://www.2bc.co.jp/news/2014/smb-it-buyer-report

 

このように、Webサイトが企業活動に占める割合は高くなってきており、BtoB企業にとってもWebサイトの活用は非常に重要なテーマになってきています。
対面による営業活動が重要でなくなったわけではありませんが、営業パーソンが接触できる人数には限りがあります。一方、Webサイトなら24時間全国どこにでも情報を届けられます。Webサイトとリアルの営業、それぞれの良さをふまえて上手に使い分け、自社商品やサービスの提案をしていくべきでしょう。
Webサイトを持ってはいても企業情報を掲載するのみで、活用しきれていない企業も少なくありません。Webサイトを通じたマーケティングを組織的かつ包括的に実行できる企業こそ、ビジネスで先手を打つことができます。

 

Webブランディングとは

Webブランディングとは、Webサイトを使ってブランディングを行うことです。企業や製品・サービスなどに関する専用サイトをつくり、ブランドを構築します。

コーポレートサイトとブランディングサイトの違い

企業のもつWebサイトのなかでも、事業概要や取扱製品などの企業情報をインターネット上で入手できるようにするためのWebサイトはコーポレートサイトといいます。
顧客はコーポレートサイトを訪れれば必要な情報を入手できますが、これらのサイトでブランドを強く印象づけられることは少ないでしょう。
一方、Webブランディングで開発するブランディングサイトはブランドの世界観を体験できるものです。ブランドコンセプトにしたがってサイト全体が統一され、細部までデザインされています。サイト訪問者は、ブランドのショップに足を運んだかのように、ブランドに対する印象を強く刻み込まれることになります。

Webマーケティングとの違い

Webブランディングでは商品や企業のブランドを訴求するためのツールとしてWebサイトを利用します。一方、Webマーケティングでは、訪問者の行動をトラッキングし、マーケティングに活かすためのツールとして活用します。
以下は、Webを通じて行うマーケティング施策を新規顧客の集客から再来訪までの流れに沿って整理したものです。

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画像引用元:LIGブログ「【保存版】10分でわかるWebマーケティング手法の全施策まとめ【図解付き】」
https://liginc.co.jp/web/useful/153607

両者を連動させて、Webサイトを訪れた人々の嗜好を調査し、それを元に新たにブランドを構築するリブランディングを行うこともできます。既に自社サイトのコンテンツに興味関心を持っている人々をターゲットにするため、より強固なブランドを築くことができるでしょう。

そもそもブランディングとは

ブランドの起源は家畜に入れた焼きごてとされています。つまり、他と区別するための印がブランドで、ブランドロゴやブランドネームはある商品を他の商品と区別するためのものと言えます。
他のものと見分けがつくので、顧客は次にそのブランドを見たときに、前回と同じ価値が得られることを期待します。そして、実際に期待通りの価値が得られれば、ブランドへの信頼感が高まります。
さらに、ブランドのイメージが世間に定着すると、そのブランドを持つことによって周囲からの憧れのまなざしで見られる、自己表現ができるなどの効果も生まれてきます。
ブランディングとは、こうした顧客がブランドから感じる価値を戦略的に構築していくものです。具体的には、ブランドのコンセプトをつくり、それに沿ったコミュニケーションを展開することで、顧客にブランド像を印象づけていきます。
ブランドイメージがよければ、顧客は高くても納得して購入しますし、リピートもします。
そこで、ブランド化を図るために、キャンペーンや広告、ロゴなどを利用して、ブランドのメッセージを伝えていくのです。

ブランディングにWebサイトを利用するメリット

ブランドを構築するために使われるツールには、さまざまなものがあります。では、ブランディングにWebを利用するメリットは何なのでしょうか。

  1. コスト面で導入しやすい
    最近ではクラウドツールなどを使えば、誰でも簡単にWebサイトを作成できます。仮に、外部のベンダーにサイト制作を依頼しても、雑誌広告やテレビCM、ラジオや新聞を利用したプロモーションほど、高額の費用が必要となるわけではありません。

  2. さまざまなメディアがある
    インターネットはインフラといってもいいほどに普及しています。Web上での情報の拡散力はすさまじく、従来のメディアを凌ぐ影響力を持っています。
    WebブランディングにはWebサイトばかりでなく、twitterやFacebook、LINE@、インスタグラム、YouTubeなど、さまざまな媒体が利用できます。こうした媒体を利用することで、従来はできなかったブランド表現も可能になります。また、新たな顧客にブランドを知り、親しみを感じてもらう機会を増やすこともできるでしょう。

  3. 世界に向けて発信できる
    Webサイトがあれば、身近な地域や日本国内だけではなく、全世界に向けて発信することができます。海外市場への進出も視野に入れる企業にとっては、その足がかりにもなるはずです。
    既に、グローバル向けに製品・サービスを展開する企業は、他言語対応のWebサイトを用意するとよいでしょう。地域によってWebサイトの表示を変えることで、ひとつのWebサイトから全世界に向けたコミュニケーションが可能になります。レスポンシブ型でサイトを構築すれば、1ソースでモバイルやタブレット端末から見てもきれいに見える、マルチデバイス対応も可能です。
     

Webブランディングの実施手順

  1. Web施策の位置づけを確認
    次章の「Webブランディングを成功させるためのポイント」にも紹介しますが、ブランディングの一貫としてWebサイトを構築するならば、経営戦略上、Webがどこに位置づけられるのかを把握しておく必要があります。経営戦略、また、その下位のブランド戦略が曖昧な場合には、まずこれを整理することが大切です。
    このステップを飛ばしてしまう制作会社などもありますが、ブランドサイトの効果を高めるにはWebサイトの構築で何を目指すのか、プロジェクトに関わる人の認識を統一しておくべきでしょう。場合によっては、経営理念やビジョンまで立ち返ることも必要です。

  2. ターゲットやブランドコンセプトの確認
    Webサイトを使う目的が明確になれば、ターゲットも明らかになってくるはずです。ターゲット設定はブランドメッセージをより鋭く伝えるために欠かせません。ターゲットのイメージを共有するにはペルソナをつくるなどの方法もあります。
    誰に向けたWebサイトなのかを確認するとともに、どんなブランドを紹介するWebサイトなのかも確認しておかなくてはなりません。そのブランドは何を売りにしていて、顧客はどんなイメージを抱いているブランドなのでしょうか。
    ブランドコンセプトを確認し、Webサイトのビジュアルもそれに応じたものにするようにしましょう。

  3. ビジュアルやコンテンツの設計
    ロゴや配色など、ブランドのコンセプトに沿って、サイトのビジュアルを設計していきます。その際、Web以外の顧客とブランドとの接点、たとえば商品パッケージやスタッフの制服、名刺などとビジュアルを統一するようにしましょう。ものによって使っているロゴやデザインのトーンが違うと、顧客にちぐはぐな印象を与えてしまいます。
    また、設定したターゲットが求めるコンテンツを用意し、サイトを構築していきます。ターゲットがしっかり設定できていれば、コンテンツの企画もスムーズに進むでしょう。

  4. 運用・メンテナンス
    Webサイトをオープンした後は、最新情報の追加や変更のあった情報の更新など、メンテナンスも必要になってきます。こまめに情報を更新し、最新の状態に保っておくことは大切です。更新せずに放置していると、古い情報で顧客を混乱させたり、業務の遅さを連想させてしまったりする可能性もあります。
    アクセス解析ツールを入れておけば、Webサイトを閲覧したユーザーの行動も捕捉できます。アクセス解析の結果やリアルなユーザーの声などからWebサイトに対する反響を見ながら、より効果的なサイトになるよう改善していきましょう。

 

Webブランディングを成功させるための5つのポイント

 以下では、当社が実際の経験から導き出した、Webブランディングを成功させる5つのポイントをご紹介します。

  1. 経営の方向性、事業計画を明確にする
    これはすべてのブランディング活動において重要なことですが、経営理念や経営方針、ビジョンが明確になっていることはWebブランディングでも重要です。
    すべての事業活動にはそれをやる理由があります。
    いつまでに、誰が、どの製品を、どういう戦略・戦術で、どういう状況に持っていくのか。その実現にどれだけのコストが掛かり、どうやって回収していくのか。
    これらが経営計画として明確になっており、Web施策もその中にきちんと位置づけられているかどうかが、Webブランディングの成否につながります。
    今あるヒト・モノ・カネ・情報といった経営資産をどう活かせば自社の成長につながるのか、その道筋のどこでWebが必要になるのかを言語化して共有しておきましょう。

  2. ビジネスフローを明確にする
    ビジネスフローとは、自社のビジネスの入り口から出口までの流れのことをいいます。顧客はどこで商品やサービスに接し、どういう流れで購入を検討して、最終的にそれがどういったかたちで収益につながっているのか、その流れを把握しておくことはWebブランディングの成功には欠かせません。
    流れを把握する際には、AIDMAやAISAS(※)といったマーケティングで使われるモデルが参考になるでしょう。カスタマージャーニーやブランドジャーニーと言って、顧客になりきって製品やサービス利用の流れを図示する方法もあります。
    いずれの方法を使うにせよ、ビジネスフローの透明性、精度を高めることが重要です。
    想定ターゲットに対してどのようなアプローチでWebサイトへの流入を促しますか?
    サイトを訪れたユーザーに製品やサービスへの興味をどう喚起し、理解を深めてもらいますか?
    そこからどうリアルでの営業活動につなげていきますか?
    事業規模が大きくなると、ビジネスフローは複雑になりますが、製品や事業部、部門単位で区切っていけば、整理しやすくなります。コンテンツやデザイン案を考え始める前に、まずはビジネスフローを考えてみてください。
    ※それぞれ、Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)、Attention(注意)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(行動)→Share(共有)の頭文字をとったもので、いずれも消費者行動を説明するためのモデル。

  3. Webサイトのターゲットを明確にする
    上記2つのポイントにもつながりますが、どのようなターゲットに向けて展開するWebサイトなのかはクリアにしておかなくてはなりません。
    Webなら多くの人に向けて情報発信できるからといって、若者もシニアも、国内も海外も、女性も男性も……と、すべての顧客をカバーしようとすると、誰に何を言いたいのか分からないサイトになってしまいます。いくら工夫を凝らした情報を発信しても、興味を抱いていないユーザーにとっては不要な情報にすぎません。ポストからゴミ箱に直行するDMと同じです。
    伝えたい相手に、確実に情報を伝えるには、その人に向けてメッセージを絞り込むことが大事です。ターゲットに刺さるWebサイトをつくることでブランドの魅力が伝わりやすくなり、結果的にターゲット以外の人にも共感してもらえるようになります。
    どのような層をターゲットにするべきかは、ポテンシャルと利益率の2軸で考えてみるとよいでしょう。顧客層のうち、利益率と成長性などのポテンシャルの双方が高くなる部分、以下の図でいうと右上の部分は最優先すべき顧客層です。
    targetting
    画像引用元:ビジネス+IT「ターゲティングや価格戦略を明確化し、個別活動へ落とし込む:企業成長をドライブする営業戦略(3)」
    https://www.sbbit.jp/article/cont1/24705

    Webサイト開発の際は、これらの特定層に好まれるサイト構成やデザインを意識してみてください。

  4. コンバージョンを明確にする
    Webサイトは放置してまっては利益を生み出しません。マーケティングプランと連動させて効果をあげるには、Webサイト構築後の運用がポイントになってきます。
    Webサイトへのアクセスを分析して、訪れたユーザーの意図や行動を読み取り、サイト改善を行います。場合によっては広告に予算を投じて集客を強化するなどの対策も必要でしょう。
    そこで、意識したいのがコンバージョンです。コンバージョンとはWebサイトの最終目標を指します。流入したユーザーに到達してほしい目的地と言ってもいいかもしれません。
    Web施策の位置づけやビジネスフローを整理するなかで、Webサイトを訪れたユーザーに、最終的にどのような行動をとってもらいたいのかが見えてくるはずです。一般的に多いのは「資料請求・ダウンロード」ですが、「製品への問合せ」や「見積り依頼」、「個人情報取得」、「製品・サービスのバーチャル体験 」など、事業内容や製品・サービスに応じて変わってきます。
    根拠なく改善をくり返すのではなく、コンバージョンが高まるように調整していくことで、ユーザーが求める姿に近付けていくことができます。
    コンバージョンが設定できれば、KPIも自ずと決まってくるでしょう。KPIとしては、アクセス数やページビュー、ダウンロード数などが考えられます。

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    画像引用元:Visionalistホームページ
    https://www.visionalist.com/column/pv_up/9_lpo.html

  5. 顧客目線でUI/UXを設計する
    商品のパッケージや実店舗と同じように、Webサイトも訪問者に使いやすく、よい体験ができるようにすることが大切です。
    利用者とシステムとで情報などをやりとりするための「接点」をUser Interface(ユーザーインターフェイス)、略してUIと言いますが、これを最適化していくのです。
    Webサイトでいえば、主に画面デザインまたは情報レイアウトになります。トップページから目的のページまでの動線やバナーの位置など、顧客の視点で見て、使いやすいようにデザインしていきましょう。
    また、UXはUser Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略で、ユーザーが何を体験するかということです。WebサイトではWebサイトの利用を通じた、驚きや感動などの体験を指します。使っていて楽しい、見ていて発見があるなどのよい体験を提供できれば、顧客にブランドを印象づけることができます。
    その際に、新しさや独自性を追求し過ぎると、顧客にとって使いづらいサイトになってしまいます。たとえば、ギミックを多用したサイトはたとえ目新しくとも、動作が遅く、見づらいためにユーザーにストレスを与えます。
    顧客が必要な情報をスムーズに手に入れ、Webサイトに満足できるよう、顧客目線での設計を心がけましょう。

  6. まとめ
    近年、企業のWebサイトはとんでもないスピードで増えていっていますが、デザインが優先されて見づらいものや商品情報しか掲載されていない面白みのないもの、なかには誰に向けたWebサイトなのかが不明なものや更新されずに放置されているものなど、充分に活用しきれていないWebサイトも少なくありません。
    山ほどあるWebサイトのうち、検索され、クリックされるサイトはわずかです。そのうえ、Webサイトを訪問したユーザーすべてが商品やサービスに関心を持ち、購入を決めるわけではありません。Webサイトを作るからには、投下したコストに対して満足のいく成果をあげるべきでしょう。サイト構築の際には、上記のポイントを参考にしてみてください。

    「この点についてさらに詳しく知りたい」など、ご質問やご相談のある方はこちらまで。

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