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次の100年を見越したブランディング戦略(ヤンマープレミアムブランドプロジェクト)

 

次の100年を見越したブランディング戦略

「ヤンマープレミアムブランドプロジェクト」

 

 

「ダサい社長」が日本をつぶす!日経ビジネスオンラインより
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140320/261501/?P=1

 

日本製のモノが、サービスが売れない。性能はいいのに。機能も充実しているのに。壊れないのに。親切なのに。多くの日本企業が直面している、「いいモノをつくっているのに売れない」問題。なぜ、売れない?それは、日本製品の多くが、かっこよくないから。美しくないから。カワイくないから。気持ち良くないから。つまり、デザインがなっていないから。

どうして、デザインがなっていない?それは、経営者がデザインのことをわかってないから。つまり、経営者が「ダサい」から。だから、デザインをマネジメントできない

経営者がダサいと、日本企業はつぶれる。では、どうすれば、デザインをマネジメントできるのか? どうすれば、かっこいいを、美しいを、カワイイを、気持ちいいを、商品化できるのか? どうすれば、ダサい経営から、デザインできる経営に転換できるのか? ifs未来研究所所長の川島蓉子が、ヤンマーのコーポレートブランディングを指揮したクリエイティブスタジオ「SAMURAI」佐藤可士和氏にインタビューします。

 

 

ヤン坊マー坊だけじゃ、世界と戦えない。

川島:タイトルの主旨はこういうことなんです。日本に限らず世界の大きな潮流として、企業の経営の中心にあるのは、もはや「デザイン」ではないかと。アップルしかり、グーグルしかり、韓国のサムスンやLGも、デザインを売りにしたブランド戦略を展開し、世界市場で伸ばしてきています。

 

佐藤:そうですね。

 

川島:ところが、日本企業は本来デザイン力があるはずなのに、経営の中心にデザインを据えようという会社がなかなか現れない。日本の経営者も、もっとデザインの価値に気づいてほしいんです。

 

佐藤:わかりました。ただ、僕は経営者じゃないけどいいんですか。いや、「株式会社サムライ」の社長という意味では経営者か(笑)

 

 

経営とデザイン、どうかかわるべきか

川島:経営者の方の話だけを聞くのではなく、ブランド作りにかかわっているクリエイターの方の話もうかがっているのです。両者がつながってブランドを作っていけば、日本企業はもっと強くなるという意図を込めてのことです。可士和さんは、経営者の方とつながって、数々のブランディングを手がけていらっしゃるクリエイターなので、是非、お話を聞きたいと思いました。

 

佐藤:ありがとうございます。

 

川島:今日うかがいたいのはまず、多くの企業とお仕事をしている可士和さんが経営とデザインのかかわりを、どうとらえているかです。最新のお仕事は、あの農業機械のヤンマーですよね。いま、ヤンマーのブランド構築プロジェクトにかかわっているとのことですが、そもそもどう始まったプロジェクトなのですか?

 

佐藤:ヤンマーは、昨年2013年、創業100周年を迎えたんです。それを契機に、次の100年を考えて、一段上のステージに上がりたい。でも、一段上のステージに上がるには、まず、どこから手を付けたらいいだろう……、そこでヤンマーの方から相談を受けたんです。

 

川島:次の100年を見越したイメージを可士和さんにつくってほしい、ということですね。ブランドの再構築という大仕事じゃないですか。

 

 

業績が悪いわけじゃないんです

佐藤:ヤンマーさん、別に業績が悪いわけじゃないんですよ。企業としては国内外でずっと安定的な成長を続けているし高い技術力を誇っています。ただ、これまで「ヤンマー」というブランドを育てていくという視点での企業活動は基本的にやってきていなかったこともあり、次の100年に向けて、社内に対して、また市場に対してヤンマーはこっちの方向へ向かうんだ、というビジョンを提示していきたい、と思われたそうです。川島さん、ヤンマーって聞いて、何思い出します?

 

川島:えーと「ヤン坊マー坊」の天気予報。あとは、そうだな、農作業の機械? トラクターとか……。

 

佐藤:そうですよね? 僕もそうでした。しかし次のステージに上がるためには、はっきりいうとグローバル市場でブランディングをしていくには、ヤン坊マー坊、農作業機械、というイメージだけではきつい。実際、ヤン坊マー坊だけじゃない、世界最高レベルのボートのエンジンを開発する力も持っていてそろそろブランディングに着手しなければいけないと、他ならぬヤンマー自身がそう考えた。そこで外部のクリエイターの知恵を借りよう、と社長自らが決断し、僕にお声をかけてくださったんです。

 

川島:可士和さんに依頼してきたというのを聞いた時、けっこうびっくりしました。今までのヤンマーは、デザインにこだわっている印象があまりなかったので。きっと社長が明快な意図をお持ちなのでしょうね。どんなタイプの社長なのですか?

 

佐藤:オーナー社長で山岡健人さんという、穏やかで紳士的な方です。オーナーということもあるのでしょうね。ヤンマーという企業に対して、強い思いを持っている。今までも、内部でいろいろな改革をやっていらしたそうなんですが、その改革が「外」から目に見えるかたちにはなっていなかったんですね。

 

川島:なるほど、そこで「デザイン」を、というわけですね。

 

佐藤:その通りです。デザイン、クリエイティブの力で、ヤンマーの企業イメージを刷新しよう、ならば外部のクリエイターとチームを組もうと判断されたわけです。

 

川島:それが「ヤンマープレミアムブランドプロジェクト」ですね。ネーミングは可士和さんが?

 

 

「ヤンマーをプレミアムブランドにして欲しい」

佐藤:いえいえ、社長ご自身です。「ヤンマーをプレミアムブランドにして欲しい」と望まれたんですね。ヤンマーはグローバル企業で、世界中に数多くの社員が存在している。顧客もマリン・海洋分野から、農機、建機と幅がある。その人たちに広く伝えることを視野に入れ、「ヤンマープレミアムブランドプロジェクト」と謳うことにしました

 

川島:この手のキャッチフレーズって、考え過ぎて何が言いたいんだかわからなくなっちゃうものが多いのだけど、ヤンマーをプレミアムブランドにする!という実にストレートな文言ですね。

 

佐藤:その通りです。ブランド作りの目標はシンプルで明確じゃないとダメです。

 

川島:わかるわかる。ブランドを再構築するときは、ついつい肩に力が入り過ぎちゃって、高邁で難しげな理念をいくつも並べたり、分厚いブランドブックなんかを作ってしまう企業がありますが、消費者の側からすると、その企業が何を変えたいのか、さっぱりわからないこと、多いですよね。

 

佐藤:そうですね。

 

川島:で、お聞きしたいのは、可士和さんが企業のブランディングをするときって、具体的にどこから手を付けるんですか?

 

佐藤:まず、その企業のルーツを知る。ヤンマーは、農業機械の生産から始まった会社です。手作業で大変だった農作業を機械化で楽にする。「農家の方たちを楽にして差し上げたい」というのが創業者である山岡孫吉さんの思いだったそうです。しかも技術先進企業でもありました。1933年、世界で初めてディーゼルエンジンの小型・実用化に成功した企業なんですね。ヤンマーという名前もいいですよね。日本人にとって豊作の象徴、トンボの王様・オニヤンマからとっている。

 

川島:農業機械の会社。そう、ヤンマーって一貫してそういうイメージです。

 

佐藤:ヤンマーが創業来やってきたことは、最先端のテクノロジーで人々の仕事を楽にしたり、生活を豊かにしたりすること。まさに日本の正しいものづくり企業のDNAが受け継がれている。だから、ブランディングをする際、この点をちゃんと盛りこまなければいけないと考えました。

 

川島:ですね。でも、農業を楽にする、というイメージがすでに伝わっているような……。なぜ大掛かりなブランド再構築が必要だったんですか?

 

佐藤:実はね、ヤンマーって、日本やアジアでの企業イメージと、欧米での企業イメージがまったく違うんです。

 

川島:え、どういうこと?

 

 

ヤンマーって実はラグジュアリー?

佐藤:ヤンマーはかなり昔から世界進出をしているグローバル企業なんですが、日本やアジアでは、圧倒的に農業機械の会社、と認識されています。だから「ヤン坊マー坊」なんです。ところが、欧米では、ヤンマーってラグジュアリーなイメージなんですよ。

 

川島:ヤンマーがラグジュアリー?

 

佐藤:そうです。欧米でのヤンマーの主力事業は、農業機械で鍛え上げられたエンジン技術を転用した船のエンジンの販売なんです。欧米ではプレジャーボートやヨットやクルーザーなどの巨大市場がありますが、ヤンマーは高級船舶のエンジンメーカーとして非常に高い評価を得ているんですね。個人で船を持っているのは当然上流階級と言われる人たちですから、ヤンマーにも必然的にラグジュアリーなイメージがついている、というわけです。

 

川島:全然知りませんでした。つまりヤンマーは、日本やアジアでは農機具のトラクターのイメージ、欧米ではモナコあたりに停泊している高級ヨットのエンジンのイメージで、まったく異なるということですね。

 

佐藤:そう。農機具の世界でも船のエンジンの世界でも優良企業として知られているヤンマーなんですが、世界のエリアによってあまりにブランドイメージが違う。ご存知のように、いまはグローバリゼーションがどんどん進んでいる。ビジネスの実態だけじゃなく、企業イメージもグローバルで統一して打ち出したい。さて、どうしよう、というのがヤンマーの課題だった、というのがこれでわかるでしょう?

 

川島:ええ、なるほど、ヤンマーが可士和さんに仕事を依頼してきた理由がようやくわかりました。エリアによってばらばらのイメージを、それぞれの強みを壊さずに、統一していこう、というわけですね。でも、片や農機具、片や高級船舶のエンジン、ひとつにブランドイメージをまとめるのは大変じゃないですか?

 

佐藤:大変です(笑)。だからこそ、「答え」はシンプルなものにしました。つまり「デザイン」の力で、新しいヤンマーの本質を掴んだ新しいイメージを消費者や社会に明快に伝える。農機具も船のエンジンも含めて。

 

川島:で、次に何を。

 

佐藤:まず、ブランドを象徴するシンボルマークを新しくデザインしました。VI=ビジュアルアイデンティティーの開発ですね。

 

 

新たなシンボルマークはオニヤンマの羽根のイメージに

ヤンマーのYを重ね、コーポレートカラーの赤で

川島:可士和さんらしいシンプルなデザイン。どんな意味を込めたんですか?

 

佐藤:さっきも話しましたけど、ヤンマーの名前の由来は、豊作を象徴するトンボの王様・オニヤンマ、にあります。ですから、あの力強いオニヤンマの羽根のイメージに、ヤンマーの頭文字のYを重ね、革新とものづくりへの情熱をイメージするコーポレートカラーの赤で表現しました。

 

川島:これがヤンマーのさまざまな製品に記されるわけですね。それから何をやりました?

 

佐藤:ヤンマーの新しいビジョンと世界最高レベルの技術力を体現するような商品の開発です。ヤンマーの全商品のデザインは今後、かつてピニンファリーナに在籍してフェラーリやマセラッティのデザインを手がけられた奥山清行さんが手がけることになったんですよ。

 

川島:奥山さんがトラクターのデザインを?わ、かっこいい。スーパーカーみたいなトラクターだ!

 

佐藤:かっこいいでしょ。さすが世界のケン・オクヤマですよね。かっこいいだけでなく、無人走行による追従システムの搭載など、農業の新しい姿を提案しています。それから農作業のためのウェアのデザインにはイッセイミヤケブランドを手がけていた滝沢直巳さんが。

 

川島:こっちもかっこいい。ヤン坊マー坊のイメージとはずいぶん異なりますね(笑)

 

佐藤:ええ。まずブランドのコンセプトを設計し、VI=ビジュアルアイデンティティーを刷新する。同時にそのコンセプトを具現化するプロダクトを開発する。ロゴと製品デザインが同時に新しくなる。消費者や市場からすると、デザインによるブランドイメージの再構築、というのはいちばんシンプルかつ力強くメッセージを伝えることができる、まさにデザインを軸にした最強のコミュニケーション戦略でしょう。

 

川島:VIと重ね合わせて提案されているキーワードには、「TECHNOLOGY×SERVICE×HOSPITALITY」とあります。これはどういう意味?

 

 

やりたいことをやっているわけじゃない

 

佐藤:まず、TECHNOLOGYは、100年培ってきた世界最高レベルの技術力のこと。繰り返しになるけどヤンマーの創業以来の「売り」は圧倒的な技術力なんですよ。最大の強みである、技術力=テクノロジーの会社だ、ということを強く打ち出す。加えて、SERVICEは360°あらゆる視点から考え抜くサービスを体現しようということを。さらにHOSPITALITYは、お客様自身も気づいていない本当の欲求を先回りしてかなえる創造的な企業でありたい、というメッセージになります。この3つを究めかつ掛け合わせることで、マーケットに訴求する商品やサービスを展開していこう、という意思表示です。「お客様の想像を超えるソリューションを提供し、お客様の求める一歩先の満足を生む、世界で唯一無二の存在」が、ヤンマーが目指すプレミアムブランドの姿じゃないか、と。

 

川島:すごい、可士和さん! ヤンマーの中の人みたいにすらすら出てくる。

 

佐藤:当たり前のことです。ブランディングって僕=佐藤可士和のやりたいことをやっているわけじゃないんです。主人公は徹底的にクライアント、この場合はヤンマーです。クライアントであるヤンマーがやりたいことを徹底的に引き出して整理していく。それが企業のブランディングのあるべき姿だと、僕はとらえています。

 

川島:クライアント企業が本来やりたいと考えていることをうまく引き出してあげる。すごくよくわかるんだけど、そもそもクライアント企業自体が、自分のやりたいことがはっきりわかってない、なんてことあるでしょ?

 

佐藤:そういう企業、たぶん現実にはけっこうあるでしょうね。ただ、そもそも僕に声をかけてくれる時点で、その企業にすでに何かやりたいことがあるんですよ。なければ、そもそも頼んでこない。

 

川島:あ、そうか!

 

佐藤:その意味で、僕の仕事は「お医者さん」に似ています。

 

川島:お医者さん?

 

佐藤:ええ。たとえばですよ、何となく体調が悪いときって、あるじゃないです。原因は風邪なのかインフルエンザなのか、もしかしたらもっと重篤な病気なのかよくわからない。ただの食べ過ぎなのか二日酔いなのかもよくわからない。でも、体調が悪いってことは明確にわかる。そんなときこそ、お医者さんの出番ですよね。まず、体調がなぜ悪いかを探る。具体的にどこが悪いかを診断する。その上で適切な対処法や薬を処方する。思い切って手術しましょう、ゆっくり薬で治しましょう、半日寝てればよくなりますよ、という具合に適切なアドバイスをする。患者と医者の関係と同じようなことが、企業と僕の関係について言えるのです。

 

 

「元に戻す」より、「さらに良くする」

川島:確かに! お医者さんに行くときって、「体調は悪いけど、原因がわからない」場合がほとんどですよね。可士和さんのところにかけこむ企業は、自分の「体調が悪い」ってことは明確に認識している。でも、どうやって「治せばいい」かはわからない。そこでドクター可士和に処方箋をお願いする、ってことなのですね。企業のブランドの再構築と、お医者さんの仕事がそっくりっていうのは驚きです。ただ、もうひとつ疑問が……。

 

佐藤:なんですか?

 

川島:お医者さんが病気を治すっていうのは、体調を「もとに戻す」ことだけど、ブランドの再構築って「もとに戻す」から、さらに進んで「前よりもさらに良くする」ってことですよね。

 

佐藤:ええ。だから、僕の仕事の引き受け方は「お医者さん」的だけど、実際にやる仕事は、治療にとどまらず、もっともっとクリエイティブなところまで踏み込む。つまり、その企業の可能性をポジティブに伸ばしていくのが、メインの仕事になります。

 

川島:それって何をするんですか?

 

佐藤:企業のブランド再構築を依頼されると、僕はまず経営トップの方やプロジェクトのキーマンとなる方と、その企業の「可能性」や「潜在能力」に関して、さまざまな角度からお話しすることにしています。いろいろな話をうかがっていくうちに、「御社のこの部分は、これからものすごく可能性があるんじゃないですか」といったお話をさせていただいたりしています。その時点では、あくまで徹底的に「素人として」「見ず知らずのお客さんとして」、指摘をさせていただくんです。

 

川島:なぜ?

 

佐藤:そうしないと、その企業の「内側の論理」にとらわれちゃうからです。すでにあるその企業の「枠」から飛び出すことができなくなってしまう。この時点では、「内輪」になっちゃダメなんです。企業側の論理からすると、今はとるに足らないような小さなパイの新規事業があったとします。それを僕が面白いぞ!と思ったら、「この事業、いまは小さいけれど、社会の潜在ニーズはすごくあるし、もし大きく展開していったら、世の中の人たちには喜んでもらえると思います」といった具合に、ファクトを見つけていくんです。

 

川島:ああ、そういうのって、社内ではなかなか指摘できないですよね。社内の事業の序列のほうが優先されて、新しい芽がつまれちゃったり、というのは大企業ではよくあることだし。つまり、可士和さんは、その企業の当事者でありながら、徹底的に外部のお客さん、という一見相矛盾する2つの役割を同時に引き受けているわけですね。

 

 

サプライズより、ヒアリング

佐藤:そうです。これ、ほんとに難しい(笑)。いま川島さんが指摘されたように、僕は、半分はクライアント側の人、半分は外部の人といったバランス感覚をずっと大切にしてきました。客観的でありながら、内部の当事者として事業に参画する。一見のお客さんでありながら、社員。企業のブランディングに取り組むときの僕のスタンスですね

 

川島:でも、可士和さんくらい有名になってしまうと、クライアントから「先生」扱いされることって多いんじゃないですか? プレゼンしたら、経営トップが「さすが可士和先生!」と声をあげて、部下はみんなそれに従う、なんて感じじゃないんですか?

 

佐藤:ないない!

 

川島:え、ないの?

 

佐藤:ありません(笑)。だいたいですね、僕はそもそも「これがいいと思います!」とバーンと言い切るようなプレゼンをしないことにしているんですよ。……あ、でも、独立してサムライを立ち上げた頃は、ちょっとそういうところがあったかもしれません。肩の力が入ってたから(笑)。でも、今はまったくないです。

 

川島:どうしてですか? どうだこれで!バーン!のほうがかっこいいじゃないですか?

 

佐藤:たとえば、かつて広告のコンペで、そういうプレゼンをやったこともあります。それって、あくまで自分がクライアントに「選ばれる側」だったからです。でも、ブランドを再構築する仕事っていうのは、さきほどから話しているように僕は半分クライアントの中に入るってこと。だから、サプライズに満ちた唐突なプレゼンよりも、僕がクライアントとのヒアリングから掴んだものから設計したコンセプトをベースに、社内のひとたちと一緒に新しいブランドをつくっていく、新しいデザインを考えていく、というプロセスの共有のほうが重要になってくる。だから、どうだこれで!バーン!式のプレゼンは、もういらないんです。

 

川島:なるほど、社員たちからすれば、外から来た可士和さんから一方的に戦略を押し付けられても、参加意識は高まりませんものね。むしろブランド再構築について社員を巻き込んで一緒につくっていくことで、社内の求心力を上げ、最終的に強力なブランドやデザインを打ち出せるようにする。

 

佐藤:そうなんです。社員が味方になってくれなければ、ブランド再構築もデザインの再構築も絶対に無理ですから

 

 

 

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